【完全版】「約束を守る」は英語で?ネイティブが使う自然な表現12選|ビジネス・日常会話
仕事でもプライベートでも、人との「約束」は信頼関係の基本です。では、その「約束を守る」という大切な行為、あなたは英語で正しく表現できますか?
多くの人が学校で習う “keep a promise” はもちろん正しい表現ですが、ネイティブスピーカーは状況やニュアンスに応じて様々な言い方を使い分けています。もし “protect a promise” のような直訳を使っているとしたら、少し不自然に聞こえているかもしれません。
この記事では、英語学習初心者からビジネスパーソンまで、誰もが「約束を守る」を自然に使いこなせるように、基本的な表現からフォーマルな言い方、さらにはネイティブらしいこなれたイディオムまで12種類を厳選して解説します。それぞれの表現が持つ微妙なニュアンスの違いを理解し、あなたの英語表現をワンランクアップさせましょう。
まずは基本!「約束を守る」の2大英語表現
最初に、どんな場面でも使える最も基本的で重要な2つの表現をマスターしましょう。これさえ覚えておけば、日常会話のほとんどの状況で「約束を守る」を伝えることができます。
1. keep a promise
「約束を守る」の最も一般的で基本的な表現が “keep a promise” です。文字通り「約束(promise)を保つ(keep)」という意味で、非常に分かりやすく、カジュアルな場面からビジネスシーンまで幅広く使えます。
ポイント:“promise” は数えられる名詞(可算名詞)なので、単独で “keep promise” とは言えず、”a” をつけたり、”my” や “your” などの所有格をつけて “keep my promise” のように使います。一般的な話として「約束は守るものだ」と言う場合は、複数形の “keep promises” となります。
- He always keeps his promises.(彼はいつも約束を守ります。)
- I was disappointed that she didn’t keep her promise.(彼女が約束を守らなかったのでがっかりしました。)
- It’s important to keep a promise to a child.(子どもとの約束を守ることは重要です。)
2. keep one’s word
ネイティブスピーカーが好んで使う、より自然でこなれた響きを持つのが “keep one’s word” という表現です。 [12, 13] ここでの “word” は「単語」ではなく「言ったこと」「約束」を意味します。 [12] “I give you my word.”(約束するよ)という決まり文句があるように、”word” 自体に「約束」のニュアンスが含まれているのです。
“keep a promise” と意味はほぼ同じですが、「自分の発した言葉に責任を持つ」という誠実なニュアンスが少し強く感じられます。 [8, 12]
- Don’t worry, I always keep my word.(心配しないで、私は必ず約束を守ります。) [13]
- A trustworthy person is someone who keeps their word.(信頼できる人とは、約束を守る人のことです。)
- He said he would help us, and he kept his word.(彼は手伝うと言って、その言葉通り約束を守ってくれました。)
日常会話では、”keep a promise” よりも “keep one’s word” の方がより自然に聞こえることが多いので、ぜひ積極的に使ってみてください。
【ニュアンス別】表現力を豊かにする「約束を守る」
基本の表現を覚えたら、次は状況や伝えたいニュアンスに合わせて表現を使い分けてみましょう。より誠実な気持ちを伝えたり、意志の強さを強調したりできる、一歩進んだ言い方を紹介します。
3. honor a promise(フォーマル・誠実)
“honor” は「敬意を払う」「名誉を重んじる」という意味の単語ですが、「約束や契約などを遵守する」という意味も持ちます。 [18, 24] “honor a promise” と言うと、「約束を(名誉にかけて)きちんと守る」という、非常に誠実でフォーマルな響きになります。 [17] ビジネスシーンや公式な場面で、契約や公約を守る際によく使われる表現です。 [17, 18]
- We must honor our promise to our clients.(私たちは顧客との約束を守らなければなりません。)
- The company is known for honoring its commitments.(その会社は約束をきちんと守ることで知られています。)
4. fulfill a promise(実行・達成)
“fulfill” は「(義務・要求などを)果たす、実行する、満たす」という意味の動詞です。 [17] “fulfill a promise” は、単に約束を破らないという状態だけでなく、約束した内容を実際に「成し遂げる」「実行する」という点に焦点が当たります。「約束を果たす」という日本語に非常に近いニュアンスです。 [17]
- The government finally fulfilled its promise to build a new hospital.(政府は新しい病院を建設するという約束をついに果たした。)
- He is working hard to fulfill his promise to his family.(彼は家族との約束を果たすために一生懸命働いている。)
5. stick to one’s word(貫き通す)
“stick to ~” は「~に固執する」「~をやり通す」という意味の句動詞です。これを約束に使うと、「困難があっても自分の言葉(約束)を最後まで貫き通す」という、意志の強さを強調する表現になります。周りから反対されたり、状況が不利になったりしても、一度言ったことは曲げないというニュアンスです。
- She always sticks to her word, no matter how difficult it is.(どんなに困難でも、彼女はいつも言ったことを守り通します。)
- He promised to support me, and I know he will stick to his word.(彼は私を支えると約束してくれた。彼がその言葉を貫いてくれると信じている。)
6. make good on a promise(有言実行)
“make good on ~” も「(約束などを)果たす、履行する」という意味のイディオムです。 [12] 特に、口で言っただけでなく、「実際に成果を出して約束を果たす」という「有言実行」のニュアンスで使われることが多い表現です。結果を出すことで約束が本物であったことを証明する、といったイメージです。
- Jack made good on his promise and helped me move house.(ジャックは約束を果たし、私の引越しを手伝ってくれた。) [12]
- The startup has to make good on its promises to its investors.(そのスタートアップは、投資家たちへの約束を果たさなければならない。)
【シーン別】ビジネスと日常会話での使い分け
「約束」と一言でいっても、ビジネス上の納期や契約と、友人との気軽な約束では使うべき言葉も変わってきます。ここでは具体的なシーンに合わせて、最適な表現を見ていきましょう。
ビジネスシーンで役立つ「約束を守る」
ビジネスの世界では、信頼が何よりも重要です。曖昧な「約束」ではなく、より具体的でフォーマルな言葉を選ぶことで、プロフェッショナルな印象を与えることができます。
以下の表は、ビジネスで頻出する「約束」に関する表現をまとめたものです。
日本語の状況 | 適切な英語表現 | ポイントと例文 |
---|---|---|
7. 締め切り・納期を守る | meet the deadline | “keep the deadline” ではなく “meet” を使うのがポイントです。 [3, 15] 締め切りという基準に「合わせる、満たす」というニュアンスです。 [15]例:We must work efficiently to meet the deadline. [3] (締め切りに間に合わせるために、効率的に働かなければならない。) |
8. 契約を守る・履行する | honor the contract / fulfill the contract | 法的な拘束力を持つ「契約」には、誠実に「遵守する」“honor” や、義務を「果たす」“fulfill” が適しています。 [24]例:Both parties are required to honor the terms of the contract. (両当事者は契約条件を遵守することが求められる。) |
9. 合意事項を守る | stick to the agreement / honor the agreement | 話し合って決めた「合意」から逸脱しない、という文脈で “stick to”(固守する)や “honor”(尊重し守る)が使えます。 例:Let’s stick to the agreement we made last week. (先週決めた合意事項を守りましょう。) |
10. コミットメント(公約・責務)を守る | honor one’s commitment / keep a commitment | 「責任を持って引き受けたこと」を指す “commitment” には、”honor” や “keep” を使います。 [18]例:Our company honors its commitment to sustainability. (わが社は持続可能性へのコミットメントを守っています。) |
日常会話で使えるカジュアルな表現
友人や家族との会話では、もっとシンプルで直接的な表現が好まれます。
11. “I promise.”(約束するよ)
動詞の “promise” を使って、「約束する」と伝える最もシンプルな言い方です。 [16] 何かをお願いされた時や、相手を安心させたい時に気軽に使えます。
- I promise I won’t tell anyone.(誰にも言わないって約束するよ。)
- “Will you be there?” “I promise.“(来てくれる?」「約束するよ。」)
12. “pinky promise”(指切りげんまん)
子ども同士や親しい間柄で使われる、日本語の「指切りげんまん」にあたる可愛らしい表現です。 [8] 小指(pinky)を絡ませながら言うのがお決まりです。”pinky swear” とも言います。
- Let’s make a pinky promise.(指切りげんまんしよう。)
【要注意】日本人がやりがちな間違いと反対表現
最後に、より自然な英語に近づくために、よくある間違いと、「約束を破る」という反対の表現も確認しておきましょう。
直訳に注意!不自然な英語表現
- × protect a promise
「守る」を “protect”(保護する)と訳すのは間違いです。物理的に守るわけではないので、”keep” を使いましょう。 - × keep an appointment
“appointment” は医者や美容院の「予約」や、仕事の「面会の約束」を指します。 [9]一般的な約束を守るという意味では使いません。 [16] 「予約を守る(すっぽかさない)」という意味にはなります。 - × keep promise
前述の通り、”promise” は可算名詞なので、”a” や “my/your” などをつけるか、複数形にする必要があります。
反対語:「約束を破る」は何て言う?
「約束を守る」とセットで「破る」も覚えておくと表現の幅が広がります。最も一般的なのは “break a promise” です。 [1, 6] “break”(壊す)を使うのが自然なコロケーション(単語の組み合わせ)です。 [19]
- I can’t believe he broke his promise.(彼が約束を破ったなんて信じられない。) [2]
- Don’t break your promise again!(もう二度と約束を破らないで!)
また、”keep one’s word” の対義語として “go back on one’s word” というイディオムもあります。「一度言った言葉を翻す」というニュアンスで、「約束を破る」という意味になります。
- She never goes back on her word.(彼女は決して約束を違えない。)
まとめ:状況に応じて使い分け、信頼される英語を
この記事では、「約束を守る」に関する様々な英語表現を、ニュアンスやシーン別に解説しました。最後に、紹介した表現を一覧で振り返ってみましょう。
表現 | 核となるニュアンス | 主な利用シーン |
---|---|---|
keep a promise | 守る(基本) | 全般 |
keep one’s word | 守る(より口語的) | 日常会話、全般 |
honor a promise | 遵守する(フォーマル) | ビジネス、公式な場 |
fulfill a promise | 果たす、実行する | ビジネス、公約 |
stick to one’s word | 貫き通す | カジュアル、意志の強さを強調したい時 |
make good on a promise | 有言実行する | 全般、結果を伴う約束 |
meet the deadline | 納期などを守る | ビジネス |
I promise. | 約束するよ(シンプル) | 日常会話 |
基本の “keep a promise” や “keep one’s word” をしっかり押さえつつ、ビジネスでは “honor” や “meet” を、気持ちを伝えたい時には “fulfill” や “stick to” を使うなど、状況に応じて最適な表現を選ぶことで、あなたの英語はより正確で、表現力豊かなものになります。自分の言葉(word)に責任を持ち、それを守る(keep)姿勢は、世界共通で信頼の証です。今日学んだフレーズをぜひ実践で使ってみてください。