【永久保存版】英語で「No」を言わずに上手に断る表現・フレーズ集|ビジネス・日常会話
「英語で頼み事を断るのが苦手…」「相手を不快にさせずに『No』と伝えたい」
ビジネスシーンや日常会話で、このように感じたことはありませんか? 日本語の「察する文化」とは異なり、英語では自分の意思をはっきりと伝えることが求められます。しかし、ただ単に “No.” と言うだけでは、冷たく、時には失礼な印象を与えかねません。
この記事では、英語初心者や、英語でのコミュニケーションに悩むビジネスパーソンに向けて、相手との良好な関係を保ちながら、やわらかく、かつ明確に断るための英語表現を徹底解説します。基本の考え方から、ビジネス、日常、営業など具体的なシーン別のフレーズまで、今日からすぐに使える知識を凝縮しました。
この記事を読み終える頃には、英語で「断る」ことへの苦手意識がなくなり、自信を持ってスマートなコミュニケーションが取れるようになっているはずです。
なぜ英語で「断る」のは難しいのか?
英語で断ることが難しいと感じる背景には、日本語と英語のコミュニケーションスタイルの違いがあります。日本語では、直接的な表現を避けて相手に意図を「察してもらう」ことを重んじる傾向があります。一方、英語圏では、自分の意見や状況を明確に言葉で伝えることが期待されます。
しかし、明確に伝えることと、率直に言い過ぎることは違います。大切なのは、相手への配慮を示しながら、自分の状況を誠実に伝えることです。英語にも、相手を思いやるための洗練された表現がたくさん存在します。
まずはコレだけ!英語で上手に断るための「基本の3ステップ」
シーンを問わず、英語で丁寧に断る際には、基本となる型があります。以下の3つのステップを意識するだけで、あなたの「断り方」は格段にスマートになります。
- Step 1: クッション言葉(感謝・残念な気持ち): まずは「ありがとう」「残念です」といった一言で、相手の気持ちを受け止めます。
- Step 2: 理由を簡潔に伝える: 次に、なぜ断るのか、その理由を簡潔に説明します。
- Step 3: ポジティブな言葉で締めくくる: 最後に、代替案を提示したり、将来の可能性を示唆したりすることで、ポジティブな印象を残します。
この3ステップを使った基本の形を見てみましょう。
(Step 1: クッション言葉) Thanks for the invitation, but (Step 2: 理由) I have another commitment on that day. (Step 3: ポジティブな締め) I hope we can do it again sometime!
(お誘いありがとう。でもその日は別の予定があるんだ。また今度、ぜひ!)
このように、クッション言葉を挟むことで、断りの言葉が持つネガティブな響きを和らげることができます。文頭に “I’m afraid ~”(残念ながら~)、“Unfortunately, ~”(あいにく~)、“I’m sorry ~”(申し訳ありませんが~)などを置くのが一般的です。 [5, 6]
【シーン別】今すぐ使える!断り方フレーズ集
ここからは、具体的なシーンに分けて、すぐに使える断り方フレーズを詳しく見ていきましょう。
1. ビジネスシーンで依頼を断る場合
仕事の依頼を断る際は、特に丁寧さと明確さが求められます。自分のキャパシティや他の優先業務があることを正直に伝えることが、信頼を損なわないための鍵です。
専門家のアドバイスによると、同僚や上司には「ご依頼ありがとうございます。しかし他の優先事項があり、追加の仕事は引き受けられません」というニュアンスで伝えるのが効果的です。 [9, 10]
同僚からの依頼を断るフレーズ
フレーズ | 日本語訳 | ポイント |
---|---|---|
I’d love to help, but I’m swamped right now. | 手伝いたいのはやまやまなんだけど、今、手一杯なんだ。 | 手伝いたい気持ちを示しつつ、現状を伝えるカジュアルな表現。 |
I’m afraid I don’t have the bandwidth for that at the moment. | 申し訳ないけど、今はそれに対応できる余裕(キャパシティ)がないんだ。 | “Bandwidth” は「処理能力・余裕」を意味するビジネスでよく使われる言葉。 |
I’m sorry I can’t help you this time—I have a couple other deadlines I have to meet. [11] | 今回は手伝えなくてごめん。いくつか他の締め切りに対応しないといけないんだ。 | 具体的な理由(締め切り)を挙げることで、説得力が増す。 |
上司からの依頼を断るフレーズ
上司への返答は、より慎重な言葉選びが必要です。感謝の意を示し、現在の業務に集中する必要があることを伝えましょう。
フレーズ | 日本語訳 | ポイント |
---|---|---|
Thank you for thinking of me for this task. I need to focus on completing my current project, but I’d be happy to reconsider once it’s done. | この件で私をご指名いただきありがとうございます。まずは現在のプロジェクトを完了させることに集中する必要がありますが、それが終わり次第、喜んで再検討します。 | 感謝と、現在の責任を全うする姿勢を見せる丁寧な表現。 |
I appreciate your request, but I have other priorities and can’t take on the extra work. [10] | ご依頼に感謝しますが、他に優先事項があり、追加の仕事を引き受けることができません。 | 「優先事項」という言葉を使い、自分の判断で仕事を選んでいるわけではないことを示唆する。 |
Could you help me prioritize my tasks? If I take this on, which of my other projects should I put on hold? | タスクの優先順位付けを手伝っていただけますか?もしこれを引き受けた場合、他のどのプロジェクトを保留にすべきでしょうか? | 「No」と直接言わず、上司に判断を委ねる高度なテクニック。 |
2. プライベートで友人からの誘いを断る場合
友人からの誘いを断る場合は、ビジネスシーンほど堅苦しくなる必要はありませんが、相手をがっかりさせないための配慮は大切です。「行きたいけど、行けない」という気持ちを伝えるのがポイントです。
例えば、「I’m sorry but I can’t come to your party.(ごめん、パーティーには行けないんだ)」のように、謝罪の言葉を添えるのが一般的です。 [8]
フレーズ | 日本語訳 | ポイント |
---|---|---|
That sounds great, but I already have plans. | すごくいいね!でも、もう予定があるんだ。 | 相手の誘いを肯定してから断る、最も一般的で使いやすい表現。 |
I’d love to, but I have to work that day. | すごく行きたいんだけど、その日は仕事なんだ。 | 「I’d love to(ぜひしたいのですが)」は、残念な気持ちを表現するのに最適なフレーズ。 |
I think I’ll pass this time. I’m a bit tired. | 今回はやめておくよ。ちょっと疲れてて。 | “pass” は「見送る」というニュアンスで、やんわりと断る際に使えます。 [3] |
Rain check? | またの機会にお願いできる? | “rain check” は「延期、またの機会」を意味する便利なスラング。行きたい意思があることを伝えられる。 |
3. 営業や勧誘を断る場合
電話やメールでの営業・勧誘には、丁寧かつきっぱりと断る姿勢が重要です。曖昧な返事をすると、再度連絡が来てしまう可能性があります。
ここでも、まず「ご連絡ありがとうございます」と一言添えるのがマナーです。
例えば、「I appreciate your call, but we’re not interested.(お電話ありがとうございます。しかし、興味はございません)」といった表現は、感謝を示しつつ明確に断るため非常に効果的です。 [20]
フレーズ | 日本語訳 | ポイント |
---|---|---|
Thank you for the offer, but we are not in the market for that right now. | ご提案ありがとうございます。しかし、現在それを購入する予定はありません。 | “not in the market” は「探していない、買う気がない」という意味の定型表現。 |
I appreciate you reaching out, but we’ll have to pass on this occasion. [21] | ご連絡いただいたことには感謝しますが、今回は見送らせていただきます。 | “pass on” を使うことで、丁寧に見送るニュアンスが出せる。 |
We’re unable to accept your offer, but we appreciate you contacting us. [22] | 貴社のご提案を受け入れることはできませんが、ご連絡に感謝いたします。 | よりフォーマルで、はっきりとした拒否の意思を伝えたい場合に使う。 |
その「No」は失礼かも?日本人がやりがちなNG英語表現
良かれと思って使った表現が、意図せず相手に失礼な印象を与えてしまうことがあります。特に日本語からの直訳には注意が必要です。
注意が必要な表現: I refuse.
日本語の「断る」をそのまま “refuse” と訳すのは非常に危険です。辞書でも “refuse” は「頑固で強い拒否」を意味するとされており、相手の提案を問答無用で拒絶するような、非常に強い響きを持ちます。 [4] 日常会話やビジネスで使うと、人間関係に亀裂が生じかねません。
代わりに使うべき表現: “I’m afraid I can’t…” や “I’m sorry, but I won’t be able to…” を使いましょう。
NG例 ❌ | OK例 ✅ | 解説 |
---|---|---|
“Can you help me?” → “No, I can’t.” | “Can you help me?” → “I’m sorry, I’m tied up with something else right now.” | 理由もなく “I can’t.” とだけ言うと、突き放した冷たい印象になります。必ず理由やクッション言葉を添えましょう。 |
“I will think about it.” (断るつもりで) | “Thank you, but I don’t think it’s for me.” | 日本語の「検討します」の感覚で使うと、相手は前向きだと誤解します。断るなら、その場でやんわりと断りましょう。 |
“Your proposal is not good.” | “I appreciate the proposal. However, it’s not quite what we are looking for.” | 直接的な否定は避け、「私たちの求めているものとは少し違う」といった形で、あくまで自分たち側の都合であるというニュアンスで伝えます。 |
「断る」を表す基本動詞のニュアンスの違い
英語には「断る」を意味する動詞がいくつかあり、それぞれニュアンスが異なります。使い分けることで、より繊細な表現が可能になります。
- decline: 「丁重に断る」という意味のフォーマルな単語。 [2] ビジネスメールや公式な招待への返答に適しています。
例: We must respectfully decline your offer. (大変恐縮ながら、ご提案はお断りさせていただきます) - turn down: 申し出や誘い、人を「断る」という一般的な表現。 [1] ビジネスから日常会話まで幅広く使えます。
例: He turned down the job offer because the salary was too low. (彼は給料が低すぎるという理由でその仕事のオファーを断った) - pass (on): 機会や招待などを「見送る、遠慮する」というニュアンスのカジュアルな表現。 [3] 自分が参加しないことを、そっと伝えるイメージです。
例: I think I’ll pass on drinks tonight, I have an early start tomorrow. (明日は早いから、今夜の飲みは遠慮しておくよ)
まとめ
英語で上手に断ることは、決して難しいスキルではありません。大切なのは、いくつかの「型」を覚え、相手への配慮を言葉にすることです。
最後に、今日のポイントを振り返ってみましょう。
- ✅ 基本の3ステップ: 「クッション言葉」+「理由」+「ポジティブな締め」を意識する。
- ✅ クッション言葉が重要: “I’m afraid…”, “I’m sorry, but…”, “Thank you for…” などを文頭につける。
- ✅ シーンに合わせた単語選び: ビジネスでは “decline”、日常会話では “turn down” や “pass” を使い分ける。
- ✅ NG表現を避ける: “I refuse.” は使わない。理由なく “I can’t.” と言わない。
最初は少し勇気がいるかもしれませんが、今回紹介したフレーズを実際に使ってみることで、徐々に自分の言葉として身についていきます。スマートな断り方をマスターして、より円滑で自信に満ちた英語コミュニケーションを目指しましょう。