【完全ガイド】ビジネス英語で「責任を取る」を使いこなす!状況別フレーズ30選
「この問題は、私が責任を取ります」
ビジネスシーンで、このようなセリフを英語で言わなければならない場面に遭遇したら、あなたは正しく表現できますか?日本語の「責任を取る」は便利な言葉ですが、実は英語にはこれに1対1で対応する完璧なフレーズは存在しません。状況やニュアンスに応じて、様々な動詞や表現を使い分ける必要があります。
この記事では、英語初心者からビジネスパーソンまで、「責任」に関する英語表現を網羅的に解説します。日常会話でのカジュアルな言い方から、ビジネスでの正式な表明、法的な責任の言及まで、具体的な例文を交えながら、初心者にも分かりやすく紹介します。この記事を読めば、いざという時に自信を持って「責任」について語れるようになります。
1. 英語で「責任を取る」の基本表現:take, accept, assume, bear の違い
まず、英語で「責任を取る」を表す最も基本的で汎用性の高いフレーズが take responsibility for ~
です。「~に対して責任を取る」という意味で、自分の意志で責任を引き受けるという積極的なニュアンスが含まれます。
I will take responsibility for this mistake.
(このミスに対して私が責任を取ります。)
しかし、「責任を引き受ける」と似た意味を持つ動詞は他にもあり、それぞれ少しずつニュアンスが異なります。ビジネスシーンではこの違いを理解しておくことが重要です。
代表的な4つの動詞のニュアンス比較
基本的な動詞である take
, accept
, assume
, bear
の違いを理解しましょう。
動詞 | 主なニュアンス | 例文 |
---|---|---|
take responsibility | 最も一般的・中立。「(自ら進んで)責任を取る、引き受ける」という積極的な姿勢。 | I will take full responsibility for the outcome. (結果については私が全責任を負います。) |
accept responsibility | 「(自分の過失などを認めて)責任を受け入れる」。問題が起きた後、自分の非を認める含みがある。 | The company accepted responsibility for the accident. (その会社は事故の責任を認めました。) |
assume responsibility | フォーマル。「(新たな役職や任務として)責任を引き受ける、担う」。役割を引き継ぐニュアンス。 | She will assume responsibility for the marketing department. (彼女がマーケティング部の責任を引き継ぎます。) |
bear responsibility | やや硬い表現。「(重い責任を)負う、担う」。責任の重さや、負うべき義務を強調する。 | The board of directors must bear the ultimate responsibility. (取締役会が最終的な責任を負わなければなりません。) |
文法ポイント:基本的に「責任」を意味する responsibility
は数えられない名詞(不可算名詞)として扱われるため、take a responsibility
のように “a” をつけるのは一般的ではありません。take responsibility
と無冠詞で使うのが基本と覚えておきましょう。
2. 【状況別】「責任」にまつわる英語表現
ここからは、具体的なシチュエーションごとに、どのような表現が適切かを見ていきましょう。
日常会話で使えるカジュアルな「責任」の表現
友人との会話など、カジュアルな場面では responsibility
という固い単語を使わずに気持ちを伝えることがよくあります。
- It’s my fault. I’ll fix it.
(私のミスです。私が直します。)
解説:「my fault(私のせい)」で非を認め、「I’ll fix it(私が何とかする)」で責任ある行動を示す、シンプルで明確な表現です。 - I’ll take care of it.
(私に任せてください/私が対処します。)
解説:「take care of(~の面倒を見る、~を処理する)」は、問題解決を自分が引き受ける、という頼りになる一言です。 - It’s on me.
(これは私の責任です/私のおごりです。)
解説:口語表現で「責任は自分にある」という意味。文脈によっては「私のおごり」という意味にもなりますが、問題が起きた状況で使えば「自分が責任を持つ」という意図が伝わります。 - My bad.
(ごめん、俺のミス。)
解説:非常にカジュアルなスラング表現。「ごめん!」くらいの軽いニュアンスで自分の小さなミスを認めるときに使います。ビジネスの場には不向きです。
職場のミスに対する責任の表明
ビジネスシーンでミスが発生した場合、責任の所在を明確にすることは信頼関係の維持に不可欠です。
- I take full responsibility for this error.
(このエラーについては、私が全責任を負います。)
解説:full
を加えることで「全面的に」という強い意志を示せます。謝罪会見などでも使われる公式な響きのある表現です。 - We must own up to our mistakes and learn from them.
(私たちは自らのミスを率直に認め、そこから学ばなければなりません。)
解説:own up to ~
は「(不本意ながらも)~を白状する、認める」というイディオム。言い訳をせず、潔く非を認める姿勢を示します。 - I will take the blame for the team’s failure.
(チームの失敗の非難は、私が受けます。)
解説:take the blame
は「非難を引き受ける」という意味。リーダーがチームを守るために「責任をかぶる」というニュアンスで使われます。 - We have to face the consequences of our actions.
(私たちは自らの行動の結果に直面しなければなりません。)
解説:face the consequences
は「(好ましくない)結果を甘んじて受け入れる」という意味。「責任を取る」の婉曲的ですが、厳しい状況で使われる表現です。
上司・経営層が語る「責任」の表現
組織のリーダーは、より重い責任を負う立場にあります。その立場を示すための表現も覚えておきましょう。
- As a manager, I am responsible for my team’s performance.
(マネージャーとして、私はチームの業績に責任があります。)
解説:be responsible for ~
は、役職や役割に伴う「責任・担当」を表す最も一般的な表現です。問題発生時だけでなく、平時の職務内容を説明する際にも使います。 - The CEO was held accountable for the financial loss.
(そのCEOは財政的損失の責任を問われました。)
解説:be held accountable for ~
は「~について説明責任を問われる、責任を取らされる」という意味。第三者から責任を追及される、という受け身のニュアンスが強い表現です。 - The buck stops here.
(最終責任は私が取ります。)
解説:「責任転嫁はしない」という強い決意を示す有名なイディオム。アメリカのトルーマン大統領が使ったことで知られます。リーダーが最終的な意思決定者であり責任者であることを示す、力強い言葉です。 - A good leader must shoulder the responsibility for the team.
(良いリーダーはチームに対する責任を担わなければならない。)
解説:shoulder
は動詞で「(責任などを)肩に担う」という意味。bear responsibility
と同様に、責任の重さを比喩的に表現する、ややフォーマルな言い方です。
法的責任・契約上の「責任」を表す表現
法律や契約書の文脈では、より専門的な単語が使われます。
- The manufacturer is liable for any defects.
(製造業者は、いかなる欠陥に対しても法的責任を負います。)
解説:be liable for ~
は「~に対して法的責任・賠償責任がある」という意味の法律用語です。契約書などで頻出します。 - The company was held responsible for the data breach.
(その企業はデータ漏洩の責任を問われた。)
解説:be held responsible for ~
は、法的な文脈で「責任があると判断された」という意味で使われます。 - He must answer for his actions in court.
(彼は自らの行いについて法廷で責任を問われなければならない。)
解説:answer for ~
は「~の報いを受ける、~の責任を償う」という意味。特に不正や犯罪行為に対する責任を指す場合に用いられます。
コラム: “Responsibility” と “Accountability” の違い
どちらも「責任」と訳されますが、微妙な違いがあります。この2つを使い分けることができると、より正確に意図を伝えられます。
- Responsibility: これから実行すべき「任務・職務」としての責任。タスクを実行する義務を指します。
例:It is your responsibility to complete the report by Friday. (金曜までにレポートを完成させるのが君の責任だ。) - Accountability: 実行した結果に対する「説明責任・結果責任」。成果に対して報告し、責任を負う義務を指します。誰のせいかを問うニュアンスが含まれます。
例:The project manager has accountability for the project’s success or failure. (プロジェクトの成否について、プロジェクトマネージャーが最終的な責任を負う。)
簡単に言うと、Responsibilityは「実行責任」、Accountabilityは「結果責任」と覚えると分かりやすいでしょう。
3. 日本人がやりがちな間違いと正しい使い方
「責任」に関する英語表現で、日本人学習者が陥りやすい間違いがいくつかあります。ここで正しい使い方をしっかり確認しておきましょう。
間違い (Incorrect) ❌ | 正しい (Correct) ✅ | 解説 |
---|---|---|
get responsibility | take responsibility | 「責任を取る」は take を使います。get は使いません。 |
Whose responsibility is this? | Who is going to take responsibility for this? | 前者は「これは誰の担当業務?」という意味。責任追及のニュアンスなら後者が自然です。 |
take responsibility of ~ | take responsibility for ~ | 責任の対象を示す前置詞は for です。of ではありません。 |
a responsible person | the person responsible (for…) / the person in charge (of…) | a responsible person は「責任感のある人」という性格を表します。「責任者」は person in charge などを使います。 |
4. まとめ
この記事では、英語で「責任を取る」ための様々な表現を、状況別に解説しました。最後に重要なポイントを振り返りましょう。
- 基本は
take responsibility for ~
: 最も汎用性が高く、迷ったらこれを使うのが安全です。 - 動詞のニュアンスを理解する:
accept
(非を認める)、assume
(役職を引き継ぐ)、bear
(重責を負う)など、動詞を使い分けることで表現が豊かになります。 - 状況に応じたフレーズを選ぶ: カジュアルな場面では
My bad
やIt's on me
、フォーマルな場面ではbe held accountable
やbe liable for
など、TPOに合わせた表現が重要です。 - よくある間違いを避ける:
get responsibility
や前置詞の誤用などを避け、正しいフレーズを使いましょう。
「責任」を英語で語ることは、決して簡単なことではありません。しかし、適切な表現を知っていれば、ビジネスでも私生活でも、誠実な態度を示し、相手との信頼関係を築くことができます。本記事で紹介したフレーズを参考に、ぜひ実際のコミュニケーションで活用してみてください。
学習を深めるための参考リンク
さらに学習を進めたい方は、以下のサイトも参考にしてみてください。
- Kimini英会話ブログ: 「責任」って英語でなんて言うの? – responsibleやtake responsibilityの基本的な使い方を解説。
- ネイティブキャンプ英語Q&A: 「責任を取る」を英語で教えて! – take, assume, bearのニュアンスの違いがQ&A形式で学べます。
- DMM英会話なんてuKnow?: 「これは誰が責任をとるんだ」 – 具体的なシチュエーションでの自然な表現がわかります。
- ライト外語スクール: “responsibility”と“accountability”―「責任」ってどう違うの? – responsibilityとaccountabilityの違いを日本語で詳しく解説。