【ビジネス英語】「利益を出す」をスマートに言うには?turn a profit, generate a profit, yield a profit の違いと使い方
ビジネスシーンで「利益が出た」「黒字化した」と報告する場面は頻繁にあります。多くの人が最初に思い浮かべるのは「make a profit」という基本的な表現でしょう。もちろん、これでも十分に意味は通じますが、より具体的でプロフェッショナルな印象を与える表現を使いこなせると、英語でのコミュニケーションが一段とスムーズになります。
特に、決算報告書やビジネス会議など、フォーマルな場では、状況に応じた細かいニュアンスを伝えることが重要です。この記事では、「利益を出す」を意味する代表的な3つの表現、「turn a profit」「generate a profit」「yield a profit」に焦点を当て、それぞれの意味の違いや使い方を初心者にも分かりやすく、豊富な例文と共に解説します。
基本の「make a profit」との違い
まず、基本となる「make a profit」は、「利益を上げる」という意味で最も一般的に使われるフレーズです。[21, 28] 口語でも文章でも幅広く使え、初心者にとっても馴染みやすい表現です。[5] 例えば、「私のレストランが利益を上げていないのが心配だ」は “I’m worried that my restaurant isn’t making a profit.” と表現できます。[21]
一方で、この記事で取り上げる3つの表現は、より特定の文脈やニュアンスを持っています。これらを使い分けることで、単に「儲かった」という事実だけでなく、「どのようにして利益が出たのか」という背景まで伝えることができます。
1. turn a profit:赤字から黒字への転換点
「turn a profit」は、文字通り「利益に転じる」という意味で、特に事業が赤字の状態から黒字に転換したという状況を強調する際に使われます。[5, 15] 長い間の損失を経て、ついに利益を出すことに成功した、というような劇的な回復を示す場面に最適です。
Deloitteの報告書でも「…ability to generate returns and turn a profit」(リターンを生み出し、黒字化する能力)というように、収益性を確保する文脈で使われています。
この表現は、スタートアップ企業や新規事業が苦しい時期を乗り越えたニュースなどでよく目にします。例えば、音楽ストリーミングサービスのSpotifyが初の通期黒字を達成した際、海外メディアは “Spotify finally turned a profit for a full year” と報じました。これは、同社が長年の投資期間を経て、ついに収益化に成功したという重要な転換点を示しています。
例文
- After years of losses, the startup finally turned a profit last quarter.(数年間の赤字を経て、そのスタートアップは前の四半期でついに黒字に転じました。)[5]
- It took us three years to turn a profit.(利益が出るまでに3年かかりました。)[19]
- The company needs to turn a profit to survive.(その会社は生き残るために黒字化する必要があります。)[20]
2. generate a profit:計画的に利益を生み出す
「generate a profit」は、「利益を生み出す」と訳されますが、そこには継続的・計画的に利益を創出するというニュアンスが含まれています。[14, 17] 「generate」は元々「生み出す、発生させる」という意味の動詞で、「generator(発電機)」という単語からも分かるように、何かを能動的に作り出す力強さを感じさせます。[22]
このため、特定の取引で一度だけ利益が出たというよりは、事業モデルや戦略がうまく機能し、安定して利益を生み出している状況を表すのに適しています。[14] 企業の決算発表などで、将来の業績見通しを語る際にも頻繁に使われます。
例えば、大手保険会社Munich ReのCFOが「We still expect to generate a profit of €5 billion in 2024」(2024年に50億ユーロの利益を生み出すことを依然として見込んでいる)と述べた例があります。これは、同社の事業戦略が計画通りに進み、大きな利益を生み出すという自信の表れです。
例文
- The new business model was designed to generate a profit by tapping into new markets.(その新しいビジネスモデルは、新規市場に参入することで利益を生み出すように設計されていました。)[14]
- Our goal is to generate a profit of over $1 million this fiscal year.(我々の目標は、今年度の会計年度で100万ドル以上の利益を生み出すことです。)
- Innovations in technology can help companies generate profit more efficiently.(技術革新は、企業がより効率的に利益を生み出すのを助けます。)[14]
3. yield a profit:投資や努力が利益をもたらす
「yield a profit」の「yield」は、「産出する」「もたらす」という意味を持つ動詞です。[11, 23, 27] したがって、このフレーズは投資や特定の資産、努力などが結果として利益をもたらした、という文脈で使われます。[14] 農業で畑が作物を「産出する」のと同じように、何かが利益の源泉となっているイメージです。[11]
金融や投資の分野で特によく使われ、ある投資案件がどれだけのリターンを生んだかを示す際に最適です。[8, 11] 例えば、投資会社Cerberus Capitalが病院への投資によって約8億ドルの利益を得たというニュースでは、「the investment yielded a profit of about $800M」と報じられました。
また、ビジネスの文脈では、資産売却などによって利益がもたらされた場合にも使えます。
例文
- The sale of their house yielded a huge profit.(彼らの家の売却は、莫大な利益をもたらしました。)[23]
- By selling the old machinery, the company yielded a profit of $200K.(古い機械を売却したことで、会社は20万ドルの利益を生み出しました。)
- Our agricultural venture finally began to yield profit after several seasons.(私たちの農業事業は、数シーズンを経てようやく利益をもたらし始めました。)[14]
ニュアンスの違い早わかり比較表
これら4つの表現のニュアンスの違いを、以下の表にまとめました。どの表現を使うべきか迷った際の参考にしてください。
表現 | 主な意味 | コア・ニュアンス | 使われる主な場面 |
---|---|---|---|
make a profit | 利益を上げる | 最も一般的で汎用性が高い | 日常会話、ビジネス全般 |
turn a profit | 黒字に転じる | 赤字から黒字への「転換」を強調 | 業績回復の報告、スタートアップの成長段階 |
generate a profit | 利益を生み出す | 計画的・継続的な利益の「創出」 | 事業計画、決算報告、業績見通し |
yield a profit | 利益をもたらす | 投資や資産が結果として利益を「産出」 | 投資リターンの報告、資産売却 |
知っておくと便利な関連用語
「利益」に関連する表現をより深く理解するために、決算書などでよく使われる専門用語もいくつか見ておきましょう。[3, 7] 初心者向けに簡単に解説します。
- Profit Margin(利益率)
- 売上に対してどれくらいの利益が出ているかを示す割合(パーセンテージ)のことです。[2, 4] 「利益率が高い」は “high profit margin” と言います。この数値が高いほど、効率的に稼いでいるビジネスだと評価されます。[4]
- Financial Statement(決算書・財務諸表)
- 会社の成績表のようなもので、一定期間の経営成績や財務状態をまとめた書類のことです。[3, 6, 7] 「Annual Report(年次報告書)」もこれに含まれます。[9]
- Revenue(収益・売上高)
- 企業が事業活動によって得た収入の総額のことです。利益(Profit)は、この収益(Revenue)から費用(Expenses)を差し引いたものです。[18]
まとめ
ビジネス英語で「利益を出す」と言うとき、基本の「make a profit」だけでなく、「turn a profit」「generate a profit」「yield a profit」といった表現を使い分けることで、より正確でプロフェッショナルなコミュニケーションが可能になります。
- 赤字からの脱却を伝えたいなら turn a profit
- 事業の成功による継続的な利益なら generate a profit
- 投資が実を結んだ成果なら yield a profit
これらの表現は、決算報告書やIR資料、ビジネスニュースなどで頻繁に登場します。[10] 最初は難しく感じるかもしれませんが、それぞれのコアとなるニュアンスを掴めば、文脈に応じて自然に使い分けられるようになります。ぜひ、実際のビジネスシーンや英語記事を読む際に、これらの表現がどのように使われているか意識してみてください。