英語で「話を遮る」には?失礼にならない割り込みフレーズを状況別に解説
英語での会議中や日常会話で、「今だ!」と思って発言しようとしたら、タイミングを逃してしまった経験はありませんか?あるいは、相手の話を遮ってしまい、気まずい雰囲気になったことはないでしょうか。英語の会話では、直訳の「interrupt talk」のような表現は不自然で、失礼にあたる可能性があります。しかし、適切なフレーズを知っていれば、相手に不快感を与えずにスマートに会話へ参加できます。 [10] 本記事では、ビジネスや日常会話など、さまざまな状況で使える「話を遮る」「割り込む」ための英語表現を、初心者にも分かりやすく解説します。丁寧な表現からカジュアルなフレーズ、そして関連用語の微妙なニュアンスまで、具体的な例文を交えてご紹介しますので、ぜひあなたの英会話力アップにお役立てください。
基本: 「話を遮る」は英語でどう言う?
英語で「話を遮る」を意味する最も基本的な動詞は interrupt です。「interrupt + 人/会話」で「(人や会話を)遮る」という意味になります。例えば、「Sorry to interrupt, but what time is it?(話の途中で申し訳ないですが、今何時ですか?)」のように使います。 [2] この interrupt
という単語は、ラテン語の「間に(inter)」と「破る(rupt)」が語源で、文字通り相手の話の流れを「間で破る」というイメージを持つと分かりやすいでしょう。
ただし、単に「Don’t interrupt!(話を遮らないで!)」と言うと、非常に直接的で厳しい印象を与えてしまうため注意が必要です。会話を丁寧に中断したい場合は、「Sorry to interrupt, but…(お話中すみませんが…)」のように、クッション言葉を前に置くのがマナーです。 [2] この一言があるだけで、相手への配慮が伝わり、プロフェッショナルな印象を与えることができます。 [2]
丁寧な表現 vs カジュアルな表現
日本語と同じように、英語でも話す相手や場面によって言葉遣いを使い分けることが重要です。 [21] 上司や取引先との会話では丁寧な表現が、友人や家族との間ではよりカジュアルな表現が使われます。ここでは、それぞれの表現の違いを比較してみましょう。
種類 | 特徴 | 代表的なフレーズ |
---|---|---|
丁寧な表現 (フォーマル) | “Sorry…” や “Excuse me…” で始め、許可を求める形が多い。穏やかな声のトーンで配慮を示すことが大切。 |
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カジュアルな表現 (インフォーマル) | 親しい間柄で使われる、より直接的で短いフレーズ。ただし、強い口調は避ける。 |
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★ワンポイント: 日本語の「ちょっといいですか?」に近い便利なフレーズが “Do you mind if I…?” です。「Do you mind if I jump in here?(ここで少し口を挟んでも大丈夫ですか?)」のように、丁寧でありながら、比較的カジュアルなビジネスシーンでも活用できる表現です。 [1, 9]
シーン別:会議で使える割り込みフレーズ
ビジネス会議では、礼儀を保ちつつ、的確に意見を伝えるスキルが求められます。 [8] 特に英語での会議中に発言を遮るのは勇気がいるかもしれませんが、以下の定番フレーズを覚えておけば、スムーズに議論に参加できます。 [10]
- “Excuse me, [名前], may I add to that?”
「失礼します、[名前]さん。その点に付け加えてもよろしいでしょうか?」
話している相手の名前を呼ぶことで、敬意と「あなたの話を聞いていました」という姿勢を示すことができます。議論に情報を追加したいときに効果的です。 [9] - “I’m sorry to interrupt, but …”
「お話中申し訳ありませんが、…」
最も一般的で、どんな状況でも使える万能なフレーズです。 [1] 「I’m sorry to interrupt, but I have an update on this topic.(お話中申し訳ありませんが、このトピックに関する最新情報があります)」のように使います。 [4, 8] - “Do you mind if I jump in here?”
「ここで私が少し入ってもよろしいですか?」
“jump in” は「会話に飛び入り参加する」というニュアンスで、比較的ポジティブな印象を与えます。 [5] 社内ミーティングなど、少しリラックスした雰囲気の場で使いやすい表現です。 - “Could I stop you there for a moment?”
「少しよろしいでしょうか?いったんお話を止めても構いませんか?」
相手の説明が長引いている場合や、論点がずれてきたと感じたときに、一度流れを区切って質問や確認をしたい際に使えます。 [4] - “Before we move on, may I say something?”
「次に進む前に、一言よろしいでしょうか?」
議題が切り替わる直前に、言いそびれたことや付け加えておきたいことがある場合に便利なフレーズです。 [1] タイミングを見計らって挙手しながら使うと、よりスムーズに発言機会を得られるでしょう。 - “May I interject here?”
「ここで少し発言してもよろしいでしょうか?」
“interject” は「(言葉を)差し挟む」を意味するフォーマルな単語です。 [14] 堅い表現なので、社外の重役が集まる会議や、学会などのかしこまった場面での使用に適しています。
シーン別:日常会話での割り込みフレーズ
友人や家族とのカジュアルな会話では、もっとくだけた表現で話に加わることができます。ただし、親しい仲でも礼儀あり。相手の話を完全に無視するような形にならないよう気をつけましょう。
- “Wait a sec (second)…” / “Hang on,” / “Hold on.”
「ちょっと待って」
相手の話を少し止めてほしいときに使う定番のフレーズです。「Wait a sec, I think I know what you’re talking about!(ちょっと待って、それ何のことか分かったかも!)」のように、興奮して口を挟むときなどによく使われます。 - “Let me just say one thing.”
「一言だけ言わせて」
相手の話が一区切りついたタイミングで、どうしても伝えたい自分の意見や感想を差し込むときに使います。 - “By the way, …”
「ところで、…」
厳密には割り込みとは異なりますが、話題を自然に変えたいときに非常に便利なフレーズです。 [18] 相手が話し終えたタイミングで「By the way, did you hear about…?(ところで、〜について聞いた?)」と切り出せば、スムーズに会話の流れを転換できます。 [18] - “Oh, that reminds me…”
「あ、それで思い出したんだけど…」
相手の話した内容に関連付けて、自分の話したいことに繋げるテクニックです。自然な流れで話題を移行させることができます。 - 相槌やリアクションで割り込む
ネイティブスピーカーは、相槌(back-channeling)を使って自然に会話に加わることがよくあります。「Sure.(もちろん)」「I know!(わかる!)」といった短い反応を会話の合間に入れ、そのまま自分の話に持っていく高等テクニックです。
類義表現のニュアンスの違い
「話を遮る」に関連する英語には、似たような意味でもニュアンスが異なる表現が数多く存在します。 [25] 使い方を間違えると意図せず失礼な印象を与えかねないため、それぞれの違いをしっかり理解しておきましょう。
単語 / 句動詞 | ニュアンス | 丁寧さレベル |
---|---|---|
interrupt | 最も一般的でニュートラル。「中断させる」という基本的な意味。 [14] | 中立(使い方による) |
cut in | 会話に「割って入る」。interruptより少しインフォーマル。 [20] “cut someone off”だと「話をバッサリ遮る」という強い意味になる。 | ややカジュアル |
butt in | 招かれていないのに「首を突っ込む」というネガティブな響き。 [14] 失礼な印象が強いのでビジネスでは避けるべき。 [22] | 失礼 |
jump in | 会話に「飛び込む」。協力的・積極的な参加といったポジティブなニュアンス。 [5, 14] 会議などでも使いやすい。 | ポジティブ/中立 |
chime in | 同意や補足をする形で「相槌を打つように加わる」。協調的なニュアンス。 [26] | ポジティブ/協力的 |
interject | 不意に言葉を「差し挟む」。非常にフォーマルな書き言葉。 [14] | 非常にフォーマル |
NG例:避けたほうがよいフレーズ集
最後に、英会話初心者が使いがちな、あるいは避けるべき不適切な表現を紹介します。良い関係を築くためにも、以下の点に注意しましょう。
- 不自然な直訳表現
日本語の「話の腰を折る」をそのまま英語にして “interrupt one’s talk” や “interfere someone’s talk” のように言うのは不自然です。ネイティブには通じにくく、意図が正しく伝わらない可能性があるため、本記事で紹介したような自然なフレーズを使いましょう。 - 命令形や否定的な言葉
フォーマルな場で “Wait a minute.” や “Be quiet.” のような命令形を使うのは絶対に避けましょう。 [5] また、「It’s my turn to talk.(私が話す番だ)」や「You’re not listening to me.(私の話を聞いていない)」といった非難がましい表現も、相手を攻撃していると受け取られかねず、非常に失礼です。 [5] - 相手の発言を完全に遮る行為
会話に割り込む際は、相手が話している言葉の途中で強引に入るのではなく、相手が息継ぎをしたタイミングや、一息ついた瞬間を狙うのがマナーです。 [19] 英語話者は、日本人が思うよりも会話に割り込むことに慣れていますが [15]、それは相手への敬意があってこそ成り立つコミュニケーションです。 - 「沈黙」はチャンス
会話の中の一瞬の沈黙は、発言権を得る絶好の機会です。相手が言葉を探している間や、息継ぎのタイミングで、すかさず “Sorry, can I just say something here? [6]” のように切り出してみましょう。タイミングを計る練習も、会話力を向上させる重要な要素です。
まとめ
英語で会話を遮ることは、多くの日本人学習者にとってハードルの高いスキルかもしれません。しかし、今回ご紹介したように、状況に応じた適切なフレーズとマナーを身につければ、それは「失礼な行為」ではなく「積極的なコミュニケーション」へと変わります。 [3] 最初は「I’m sorry to interrupt, but…」のような基本的な丁寧表現からで構いません。 [2] 大切なのは、相手への敬意を忘れずに、自信を持って会話に参加しようとする姿勢です。 [23] ぜひ、今日からでも練習を始めて、あなたの英語コミュニケーションを次のレベルへと引き上げてください。