【初心者向け】「やり遂げる」英語の使い分け|see through, carry through, follow through の違いを徹底解説!

【初心者向け】「やり遂げる」英語の使い分け|see through, carry through, follow through の違いを徹底解説!

「このプロジェクトを必ず最後までやり遂げます!」

ビジネスシーンでは、このような決意を表明する場面がよくあります。しかし、この「やり遂げる」という言葉、英語で表現しようとすると、どの単語を使えば良いか迷ったことはありませんか?

実は、英語には「やり遂げる」を意味する表現がいくつかあり、状況やニュアンスによって使い分ける必要があります。特に重要なのが、see through, carry through, follow through の3つの句動詞です。

この記事では、英語初心者や、ビジネス英語を学び始めた方に向けて、これら3つの表現の違いと正しい使い方を、豊富な例文と共に徹底的に解説します。この記事を読めば、あなたの英語表現がより豊かになり、ビジネスシーンでの信頼性もアップすること間違いなしです。

「やり遂げる」を表す3つの重要句動詞

まず、今回焦点を当てる3つの句動詞の基本的な意味を簡単に見てみましょう。これらはすべて「何かを最後まで終わらせる」という共通点がありますが、それぞれに独特のニュアンスが含まれています。

英語表現 中心的なニュアンス 一言でいうと…
see (something) through 困難や障害があっても、粘り強く最後までやり抜く 「やり抜く」 (困難克服)
carry (something) through 計画や任務などを、責任を持って実行し、完成させる 「遂行する」 (責任感)
follow through (on/with) 一度始めたことや約束したことを、最後まで確実に実行する 「実行する」 (約束・言行一致)

どうでしょうか?少しずつ違いが見えてきたでしょうか。それでは、一つ一つの表現を詳しく掘り下げていきましょう。

1. 粘り強さの「see (something) through」

see (something) through は、単にタスクを完了させるだけでなく、そこに伴う「困難」や「障害」を乗り越えて最後までやり遂げるという、強い意志や粘り強さを表現するのに最適な句動詞です。

「最後まで(through)見届ける(see)」という言葉の成り立ちからも、途中で投げ出さずに結末まで見届けるというイメージが湧きやすいのではないでしょうか。

困難 プロジェクト 乗り越える

どんな時に使う?

特に、長期間にわたるプロジェクトや、困難が予想される仕事に対して使われます。

“It’s going to be a tough project, but I’m determined to see it through.”
(これは大変なプロジェクトになるだろうが、私は最後までやり抜く覚悟だ。)

“She had many difficulties, but she managed to see her studies through and graduated with honors.”
(彼女は多くの困難を抱えていたが、なんとか学業をやり遂げ、優等で卒業した。)

文法ポイント

seethrough の間に、やり遂げる対象(目的語)が入るのが基本形です。例えば、「プロジェクトをやり遂げる」なら “see the project through” となります。

2. 責任感の「carry (something) through」

carry (something) through は、計画、約束、改革などを責任を持って最後まで実行し、成し遂げるニュアンスで使われます。

「最後まで(through)運びきる(carry)」というイメージで、与えられた、あるいは計画した任務を、責任感を持って完了まで導く様子を表します。 [5] 特に、ビジネスや公的な文脈でよく見られる表現です。

ビジネス チーム 計画実行

どんな時に使う?

計画の実行、政策の遂行、約束の履行など、責任が伴う行動に対して使われます。

“The team successfully carried the plan through despite the budget cuts.”
(予算削減にもかかわらず、チームはその計画を見事にやり遂げた。)

“It’s important to have a strategy, but it’s more important to carry it through.”
(戦略を持つことも重要だが、それを最後までやり遂げることはさらに重要だ。)

`see through` との違いは?

see through が「困難を乗り越える」という個人的な粘り強さに焦点を当てるのに対し、carry through は「計画を責任を持って実行する」という客観的な任務遂行のニュアンスが強いです。

3. 言行一致の「follow through (on/with)」

follow through は、一度始めたことや約束したことを、途中で投げ出さずに最後まで完了させるという意味合いで、特に「言行一致」の誠実さを示す際に使われます。 [1, 12]

もともとはゴルフや野球などのスポーツで、ボールを打った後も腕を振り抜く動作(フォロースルー)を指す言葉でした。 [1, 9] この「最後まで動作を完了させる」イメージから、「始めたことを最後までやり遂げる」という意味に発展しました。 [4]

約束 握手 ビジネス

どんな時に使う?

約束、提案、コミットメントなどを、口先だけでなく実際に行動に移し、完了させる文脈で非常によく使われます。

“He has a lot of great ideas, but he rarely follows through on them.”
(彼は素晴らしいアイデアをたくさん持っているが、それらを最後まで実行することはめったにない。)

“Our company has a reputation for following through with our promises to customers.”
(当社は、お客様との約束を最後まで守ることで定評がある。)

文法ポイント

follow through の後には、実行する事柄を onwith を使って示すのが一般的です。 [12] 例えば、「約束を実行する」なら “follow through on a promise” となります。

【一覧表】3つの「やり遂げる」を徹底比較

ここまでの内容を、ビジネスパーソンが使いやすいように一覧表にまとめました。この表を見れば、状況に応じた最適な表現が一目でわかります。

項目 see through carry through follow through
核となるニュアンス 粘り強さ・困難克服 責任感・任務遂行 言行一致・約束の実行
よく使われる文脈 困難な仕事、長期プロジェクト 計画、改革、公的な任務 約束、提案、コミットメント
文法の形 see [目的語] through carry [目的語] through follow through on/with [事柄]
例文(プロジェクト) I will see this project through. (やり抜いてみせる) We must carry this project through. (遂行せねばならない) We need to follow through with the project plan. (計画を実行に移す必要がある)

【応用編】その他の「やり遂げる」関連表現

今回紹介した3つの句動詞以外にも、「やり遂げる」に近い意味を持つ単語はたくさんあります。表現の幅をさらに広げるために、代表的なものをいくつか見ておきましょう。

  • complete: タスクやプロジェクトなどを「完了させる、完成させる」という最も一般的でニュートラルな単語です。 [2, 3] 書類を完成させる、研究を完了するなど、単に終わらせることを指します。 [3]
  • accomplish / achieve: どちらも努力して何かを「達成する」という意味ですが、accomplish は任務や課題をやり遂げること [6, 15]、achieve は努力の末に目標や夢に到達すること [6, 7]、というニュアンスの違いがあります。
  • get (something) done: 「~を終わらせる、片付ける」という口語的な表現です。 [18] 困難なニュアンスも含みつつ、とにかく「終わらせた」という結果に焦点が当たります。
  • pull off: 「(困難なことを)見事にやってのける」という意味の口語表現です。 [14] 誰もができるとは思っていなかったような難しいことを成功させた、という驚きのニュアンスが含まれます。

これらの単語も覚えておくと、より細やかなニュアンスを表現できるようになります。

まとめ

今回は、「やり遂げる」を意味する3つの重要な句動詞 see through, carry through, follow through の違いと使い方について解説しました。

  • see through は、困難を乗り越える「粘り強さ」
  • carry through は、計画を実行する「責任感」
  • follow through は、約束を守る「誠実さ・言行一致」

これらのニュアンスの違いを理解し、適切な場面で使い分けることで、あなたの英語はより正確で、表現力豊かなものになります。ビジネスシーンでは、こうした細やかな言葉の選択が、相手に与える印象を大きく左右します。

まずは、身近な仕事や目標について、「これは see through かな?」「この場合は follow through がぴったりだな」と考えてみることから始めてみましょう。小さな実践の積み重ねが、あなたの英語力を着実に向上させてくれるはずです。

参考情報: Berlitz [12], Hapa Eikaiwa [6]